医局員コラム



LA 見聞録
留学施設の訪問




種村 篤 
JOHN WAYNE CANCER INSTITUTEでの
私のボス、DR HOON(右)との夕食時のスナップ
思い出の写真

 去る2012年3月16-20日米国サンディエゴで開催されました、第70回AAD annual meetingへの出席および約5年ぶりの留学先への訪問を行うべく、渡米いたしました。
私は2005年5月から約2年間、ロサンゼルスより西へ車で30分のサンタモニカにある、John Wayne Cancer Instituteに留学していました。あまり皆さんに聞きなれない研究所かもしれませんが、現在乳がんや悪性黒色腫を扱う先生方には非常にポピュラーな手技の一つであるセンチネルリンパ節生検を世界で初めて行った、Morton先生という外科医が設立したがん研究所です。本研究所はSaint Johns病院と併設しており、病院で採取された悪性黒色腫や乳がん、大腸がんの腫瘍検体や血液検体が多く送られるシステムが出来上がっています。そのため、主にこれらヒト検体を用いたtranslational researchが盛んで私も留学中、血清や組織検体から採取したDNAを用いて特定のがん関連遺伝子のメチレーション解析を日々行っていました。
 さて、この研究所での実験を繰り返す日々を今でも鮮明に覚えています。さらにその記憶に匹敵する印象を残したのが、サンタモニカという素晴らしい気候(カリフォルニアサンシャインとの言うべきでしょうか)に恵まれた土地でした。幸いこの度の学会出席会場も、サンタモニカより車で約2時間南下したサンディエゴという素晴らしく美しい海岸の街であったため、決意して今回の訪米を行いました。現地では、John Wayneがん研究所で本当にお世話になったDave Hoon先生(写真上)と会食し相変わらず元気で研究コラボレーションの話などに華を咲かせました(奥さんが日本人という親日家で、非常に丹念に英語を話してくれます)。現在当科より同ラボに留学中の清原先生(右上写真)とは約3か月ぶりに再会し、現在の研究のことや自分の留学当初車やアパート契約などのセットアップに苦労したことを話し合いました。さらに、半年間一緒に実験を共にし英語のHearing/writingを多く教えてもらったTerrance君(右下写真)とも再会し、アメリカで医療従事者を目指す学生の勤勉さについて語り合うことができました。これらの思い出作りの一つ一つが私の財産であり、このような機会を得ることができたのはやはり短期間でも留学生活を異国の地で行った結果であり、今でも留学の機会を与えて頂いた先生方や周りの支えてくれた皆さんに感謝の気持ちがいっぱいです。次の訪米を目指し、日々の臨床および研究に磨きをかけていきたいと思います。 

現在留学中の清原英司先生
訪米時、現在同ラボに留学中の清原英司先生とLAマラソン5Kに出場しました。雨の中、何とか二人とも完走しました。 


私の留学中、約半年間大学のプログラムとしてUCLAの学生が我々のラボに実験助手として研修していました。当時共に働いていたTerrance(右)との約5年ぶりの再会です。現在彼はpharmacologistを目指しているそうです。
   
平成24(2012)年4月29日掲載