医局員コラム
第79回日本皮膚科学会東京・東部支部合同学術大会
会頭 鈴木民夫山形大学教授 坪井良治東京医科大学教授
会場 京王プラザホテル
会期 2016年2月20〜21日
テーマ —皮膚科学いろいろ—
大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗

坪井良治東京医大教授 鈴木民夫教授とSpritz先生
 第79回日本皮膚科学会東京・東部支部合同学術大会に参加した。元々東部支部学術大会は東部支部(東日本)と東京支部が回り持ちで開催されていたが、 
1990年の54回大会(杏林大学・長島正治会頭)を最後に発展的に解消し、翌年からは東京支部総会と東部支部学術大会、別個に開催されることとなった。今回25年振りに合同大会が開催される運びとなったが、その理由として大会長の鈴木民夫教授は会頭挨拶の中で以下のように述べられている。
①東部支部は地理的に広大であり、地方から地方への移動は想像を絶するほど時間がかかること。例えば、山形市から隣県の秋田市、新潟市にはそれぞれ4時間半、3時間半かかること。一方で、東京は日本中どこからも最も近い都市であること。②東部支部は会員数が最も少なく、財政面で不安があること。③近年、金 太郎飴の様な同じような内容の学会が多いことから、学会や研究会の数を減らして独自性の高い学術大会にした方が良いでのではないかと考えたこと等の理由に より東京支部に対して共同開催をお願いしました。
 実際今回参加して、驚いたのは一般演題が4会場に分かれ、2日間に亘り発表されたことで、討論時間も充分にあり、久しぶりに学会らしい質疑応答を楽しむ事ができた。座長も開業医の先生も含め、東部、東京支部からその分野の若手、ベテランの先生をうまく組み合わせておられ、有益な討論を誘導されていた。昨今、地方会もふくめ、専門外の先生が役職指定で座長をされる学会も多く、討論が噛み合ない事も多いが、プログラム委員の先生方のご尽力と両支部の人材の豊富さが良く反映されていた。また意表をつくプログラムとして一番広いA会場で「皮膚科医が必要な他科の知識」として2日間、教育講演が行われた事で、しかも講演ビデオが今後暫く学会HPで閲覧できるとの事である。これは坪井会頭の発案とのことで、今後、他の学会でも取り入れて頂きたいと思う企画である。またもう一つの企画は鈴木民夫会頭の専門である色素異常症のシンポジウムがこれも2日間に亘り開催されたことで、大会のテーマ通り「いろいろ」な意見があるかとは考えるが、大会長の個性が出せなくなりつつある今の総会のあり方とは180度異なるプログラム運営で、私自身、考えさせられることが多かった。
 招待講演は国際交流講演2でコロラド大学のRA Spritz先生が自己免疫性白斑のGWAS解析の最新のデータを紹介された。Spritz先生は鈴木民夫会頭が留学された時のボスで今回は鈴木先生のお弟子さんで、つい先頃Spritz研から帰国された山形大学の林昌浩先生のデータも紹介された。研究に関するシンポジウムは「微生物と上皮の相互作用、Microorganism V.S. Barrier」として資生堂の日比野さんやNIHの永尾さんの最新の成果を聞く事ができ、また臨床に置いても診断に手こずる皮膚疾患などがシンポジウムとして組まれ、参加されたそれぞれの先生が本大会を心から楽しまれた事と思う。大阪大学医学部皮膚科学教室からは亀井利沙先生が「難治性偽性腸閉、嚥下障害に対して免疫グロブリン大量療法(IVIG)が奏功した強皮症、多発性筋炎オーバーラップ症候群の一例」、楊伶俐先生が「ロドデノールの表皮ケラチノサイトへの作用」を発表された。お二人とも良く勉強されており、質疑応答も重要な問題点を適格に討論され、多いに感心した。



 懇親会では鈴木民夫会頭の顔で集められたという山形の[十四代]を始めとする銘酒や米沢牛、芋煮、山形蕎麦など山形の特産品がふるまわれ、学生さんによる花笠音頭などアトラクションも素晴らしかった。例年この時期は雪による交通マヒが多く、一昨年の大会が思い起こされたが、3,000人を超す参加者が全国から集まられ、無事、大成功の内に大会を終えられた両会頭の先生にお礼を申し上げたい。
最後に、手元にあった最後の合同地方会となった54回大会時に杏林大学の長島正治先生が発刊された「東日本学術大会 半世紀の歩み」に当時のプログラムが掲載されており、私の名前を見つけたので記録に残した。

「東日本学術大会 半世紀の歩み」(pdf)

「日程表・プログラム」(第79回日本皮膚科学会東京支部・東部支部合同学術大会)

2016年2月