教授コラム  

「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」刊行に当たり
2016.9.12
大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗

このたび西岡清先生総監修で片山、岩月、横関が編集に協力させて頂いた
「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」が刊行された。この本の刊行の意義は序文にも書かせて頂いたが昨今の若い先生方の「英語論文離れ」、やPubMedでの論文検索でよしとする風潮への警鐘の意味もあるが、もっと大きな目的は皮膚科の膨大な歴史とそこに残された先人の叡智を訪ねる事であると考える。そのことで、本当に皮膚科の好きな若い先生が一人でも多く育っていただくこと、そしてかつての我々がそうであったように、このような皮膚疾患の原著を読む事が端緒となって世代を超えた先生方と議論、討論が可能になることであり、それが本来のアカデミアの復活になればと願う次第である。

ドイツ語版はまもなく出来の予定で、時期を見て岩月先生のフランス語版と合本販売予定である。皆さんのコンセンサスが得られれば、今回、ページ数の関係で省略せざるを得なかった、臨床経過、組織所見などの詳細や英、独、仏以外の原著も追加して、合本化できればと考える。参考として西岡清先生、片山、Ryan先生の刊行の挨拶、序文、寄稿と先生方からの書評を貼付する。

先生方よりの書評(順次アップ予定、寄稿者のお名前は省かせて頂き、一部本文から削除させて頂いている)。

●素晴らしい本をお送り下さり誠に有り難うございます。誰かがやらなければならなかった仕事ですが、お忙しい先生方がそれをしてくださったことに対して、心からの敬意を表します。この本は、これからの若い人だけでなく、我々のように現役を退いた人にも大変に役立つ本だと思います。出来うれば非売品ではなく、多くの人に読まれるような形で出版されれば、もっと価値が出るように思います。思わず読みふけってしましました・

●昨日「原著に学ぶ 英米皮膚科学の古典」が届きました。
先生とは、遊ぶだけのお付き合いの私(笑)に対して、このような立派な御本を頂戴し、恐縮の限りです。大変興味深い内容ですので、楽しみながら読ませて頂きます。

●「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」をご贈呈下さいましてありがとうございました。まさに、これは全皮膚科医必読のバイブルと思いました。必ず、抄読会で取り入れたいと思いました。貴重な書籍を下さいまして誠にありがとうございました。

●すごい本
「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」が届きました。本著の発行を考えた人、それを受け継ぎ、翻訳を担当した方々の努力に感服しています。ありがとうございました。

●西岡 清先生監修で、先生、岩月先生、横関先生の監訳の「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」(大阪大学皮膚科教室発行)を拝受致しました。
 若い人達に皮膚科学の歴史を見直してもらうべきという目的で造られた本のようですが、近来見ない立派な装丁の書籍であり、 私もお贈りいただき、恐縮するとともに、感謝の申しようがありません。
 開いてみると 私自身も知らなかった英米の皮膚科学の系列をゆったりと学ばせていただけるように、と作製されており、十三年前に大学を引退してから、先日は先生主宰の発汗学会で話をさせていただきましたが、段々と、学問から遠ざかる立場に置かれた感じがしていたところでもあり、毎日、楽しみにして読ませていただきます。先生のもとで、新たな皮膚科学が益々、発展することを祈念致しております。

●最近の若い先生は学会発表でもすぐにレビューを探し、原著など読んでいないようである。

●様々な疾患の原著です。臨床像の記載や経過がやはり秀逸であり、翻訳も一流の方がなさるとこうなるのかと、唸りました。最近のネットだけ調べてガイドラインに沿った治療だけを発表するだけのくだらない他人行儀な(失礼)一部の論文や学会発表は原著を読んでないのかもしれませんね(生意気ですみません)。
僕らは予々、常に原著を読むように西岡清先生に指導されたのでますますそんな思いが最近します。
●臨床像の経過の記載が楽しいよね。まるでその場にいるような記載!訳者も一流だからこそ、かつて読んだ事があるものでも新鮮ですね(⌒▽⌒)✨

●医療の先人たちの不便な時代だからこそ、しっかりモノをみようとする「ココロの目」はとても勉強になります。

●大阪大学 片山先生から、いただきました。今から、時間ができそうなのでタイムリーです。ありがとうございました。まず、profundusから読みます。

●昔、京大皮膚科では、新入局者に皮膚疾患発見ないし命名の逸話をまとめた英語の本の輪読を課していました。残念ながら著者の名前が出てきません(トホホ)。

●残念ながらHerpesの項はありませんでした。



●先日は「原著に学ぶ 英米皮膚科学の古典」をお送りいただき誠にありがとうございました。驚嘆すべき力作で、並々ならぬ年月をかけられたものと思います。 私共の分野もこのような形で次世代に残さねばならないことが、多々ございますが何せ浅学非才でままなりません。
本当に、ありがとうございました。 




●今日はとても素晴らしい本をお送りいただきありがとうございます。もう、面白くて一気に読みました。写真ではなくイラストとムラージュで先人の先生方の偉大さに改めて敬意を表し、さらに皮膚科学に興味を持てる本だと思いました。刊行になれば周りの先生方に勧めさせていただきます。
本当にありがとうございます。

●「英米皮膚科学の古典」、拝受いたしました。
この年齢になると尚更、心を打つ企画だと感銘いたしました。
皮膚科医人生を振り返りながら拝読させていただきます。
周りにも勧めます。ありがとうございました。














9月30日追加
●この度は「原著に学ぶ 英米皮膚科学の古典」をお送りいただ き誠にありがとうございました。
ゲッケルマンやスティーブンス・ジョンソンなど、もはや固有 名詞であったことを忘れるような方々の論文を眼にすることができるとは思ってもおりませんでした。私も、チャーク・ストラウス症候群の論 文を書いた際、原著にあたりましたが、その際、その頁だけが手垢で汚れており、自然とその頁が開いたという経験が思い出されました。この 度、この書籍をいただき、改めて原著に触れること、そして自分がその原著を読むまでに多くの医師達がその論文を読んで学んだという歴史を 実感することの大切さを認識した次第です。
ただ、先生が巻頭で書かれていますように、私も最近ではイン ターネットで引ける文献のみ読むということが多くなっております。病院図書館では、定期購読されている皮膚科書籍がなかったため、私が着 任してから「皮膚病診療」のみ購読するようになりました。それでも、昔のArchivesやBritishは少しは図書館にありますので、病院の図書館 にある文献は自分でチェックするようにしておりました。ただ身近の若い先生の言動からは、論文の原著にあたるというこ とは無駄と思っているような気がします。購読している「皮膚病診療」も目にしたことはないと思います。(ミーティングなどの際、私は 皮膚病診療を持ち歩いて、読んでいる姿をアピールしていますがあまり響いていないように思われます)。日本語文献も目にしないように なると、例えば「そうよう」をワープロで変換すると、やまいだれの「そう」は候補に出てきませんので、「掻痒」と当たり前のように電 子カルテに入力してそれに違和感を感じなくなってしまうようなことも危惧されます。このようなことは一部の医師にしか当てはまらないことかと 思っていましたが、先生の巻頭を読ませていただくと、多くの医師にそのような傾向が見られていることが認識されました。もちろん自分自身 を含めて、文献に当たる、雑誌を触る、ということを実践するべきだと改めて感じた次第です。いただいた書籍をゆっくりと拝読させていただきます。

●この度は、「英米皮膚科学の古典」を賜り、ありがとうございました。疾患の概念を最初に提唱された先人の慧眼に触れ、衝撃を受けました。普段、入手しやすい文献や孫引きに頼り、分かった様な気分になっていたことに気付かされました。オリジナリティーを重んじる世界に身を置きながら、ともすると安易な方法で得た偽物の知識で済ませてしまっていたことを恥ずかしく感じています。教室員にもぜひ読んでもらいたいと思っています。

●この度は「原著に学ぶ英米皮膚科学の古典」をご贈呈下さいましてどうもありがとうございます。恐縮の限りでございます。まず乾癬の治療の部分から拝読させて戴きましたが、今ではほとんど行われていないゲッケルマン療法の原法についてゲッケルマン本人が記述された原著の日本語訳でたいへん興味深く、また現在の乾癬の治療について改めて再考させられました。刊行になりましたら周りの先生に勧めさせていただきます。

学生さんからの嬉しいメール

(^^)膚科の話の他には、特に医学における古典的教養ということを教授にお伺いしたいと考えています。最新の研究には少なからず心惹かれるものがないわけではないのですが、むしろnatureを読むよりも例えばウイリアムオスラーの著作を読む方が医学生として正しいのではないかと考えています。















平成28年9月13日